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あなたに起こるやさしい奇跡

鉄道員(ぽっぽや)鉄道員(ぽっぽや)
(1997/04)
浅田 次郎

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浅田次郎の処女短編集。
直木賞を受賞し、映画化された作品を今さらですが、読みました。
ファンタジーっぽい作品は好きではないのですが、あらすじだけでなくちゃんと読んでみるとその世界観に違和感を感じることはなく。解説によるとファンタジーじゃなくて「奇跡」をテーマにした短編を集めたという事らしい。しかも浅田氏本人は科学で説明つかないものは信じない、と言っているくらいだし。

短編集のしょっぱなが表題にもなっている「鉄道員」(ぽっぽや)。
朴訥で不器用な乙松の乙松なりの愛の形に涙が溢れました。

「ポッポヤはどんな時でも涙のかわりに笛を吹き、げんこのかわりに旗を振り、大声でわめくかわりに喚呼の裏声を絞らなければならないのだった。」

決して手を抜くことなく、感情を出すことなく、坦々と仕事をこなす乙松。
仕事一徹な男の生き方って、実は結構好きだったりします。

「鉄道員」と似たファンタジーっぽい作品ですが、「うらぼんえ」にも泣けました。お盆に孫娘を助けるためにやってきた死んだはずのおじいちゃん・・・。涙、涙、涙。

「角筈にて」は浅田次郎のほぼ自伝に近い作品であるという事も衝撃的でした。悲しい生い立ちで心に深い傷をもって生きてきた恭一だけど、実は周囲の深い愛情に包まれ、守られていた。そのことに気づく事ができたのが恭一の幸せだね。

どの作品も切ないけど、最後にはあたたかな余韻が残るお話ばかりでした。

2010/03/30(火) | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0)

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