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ケイトウの赤、やなぎの緑

新潮ムック 江國香織ヴァラエティ 新潮ムック 江國香織ヴァラエティ
江國 香織 (2002/03/29)
新潮社

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先日読んだ「きらきらひかる」の続編があると教えていただいたので早速ネットで注文。元祖「きらきら」ファンにとっては続編の発表までの10年間がとってももどかしかったと思うけど、私はすぐに読むことが出来てラッキーでした。

続編やパート2がオリジナルを超えることはまぁ、普通ない。
この「ケイトウの赤、やなぎの緑・・・10年後のきらきらひかる」も同様。やっぱり私の持つイメージとはちょっぴり違っていました。例えば、笑子と睦月は東京郊外の古い一軒家に住んでいるという設定。うーん、私のイメージは無機質なマンション住まいなんだけどな。そこが色々な人が集まる‘怪しいサロン’(byちなみ)っていうのもイメージじゃないなぁ。

続編には「きらきら」の3人は間接的にしか出てこないけど、10年後も3人の信頼関係は変わらない様に見え、でも睦月と紺の関係は・・・でもあり。この微妙に含みを持たせる書き方がすごく江國さんらしい。微妙なところが様々な思い入れを持った「きらきら」ファンを逆に納得させているのだと思う。私は笑子と睦月が幸せに暮らしていれば、それでいいよ。

「ケイトウの赤、やなぎの緑」の登場人物、ちなみ、郎、亜紀はみんなどこかジタバタしてる。(対して笑子はすっかりマイペースで落ち着いて見える)
ちなみの弟、占部くんが言う

     「人生なんて誰のも混乱してるんだぜ、いつだって」

本当だね。

ある春のやなぎの緑の美しい季節。笑子から「やなぎを見に来ない?」とお誘いが。木の下にテーブルを出して、シャンパン飲んで・・・。
ちなみと郎はそこへ「モンサンクレール」の‘ファーブルトン’を買って行く。

小説の中に出てくる食べ物、毎度おいしそうだなぁ。小説の細部に出てくる物語の筋には直接関係の無い描写が作り出す空気感がとっても素敵。

DSCF2267.jpg


「モンサンクレール」の‘ファーブルトン’  @294円





号泣する準備はできていた 号泣する準備はできていた
江國 香織 (2006/06)
新潮社

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短編集。
正直なところ、あまりぐっとくるお話は無かったかな。
強いて挙げるとするならば以下。

「手」
37歳、独身、犬のヘンリーと二人暮らしのレイコ。そこに男友達が訪ねてきて、おでんを作ってくれる。すじ肉で出汁をとった温かいおでんに冷たくとろりとしたウオッカ。孤独を受け入れているはずの心とは裏腹に単純に身体が暖かくやわらかくなるのを感じる。日々の不安定な気持ちと一瞬の幸福。新たな恋が始まるとか、問題が解決する訳じゃないけどほんわかとするお話。いいな。

レイコの言う「自由とはこれ以上失うもののない孤独な状態のことだ」はちょっとわかる気がする。

「号泣する準備はできていた」
フィッシュスープが飲みたくなります。サフランで色をつけた具沢山のフィッシュスープ。骨にまでじんと栄養のしみ渡るフィッシュスープ。「とても本当のこととは思えない、と思うくらい悲しい目にあった時にはフィッシュスープを飲んだことがある人は強いの。海の底にいる動物たちに護られているんだから」 なるほど・・・覚えておこうっと。



2006/07/23(日) | 読書 | トラックバック(-) | コメント(-)

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