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永遠の0(ゼロ)

永遠の0 (講談社文庫)永遠の0 (講談社文庫)
(2009/07/15)
百田 尚樹

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本屋さんで平積みになっているからずっと気になっていた作品なのですが、戦争物を読むには十分な覚悟が必要なのでなかなか飛び込む勇気が出ませんでした。
しかし、8月だし・・・読むなら今かな、と。読み始めてみると意外と読みやすい。胸が締め付けられて、涙が溢れて止まらなくなって、文字が読めなくなるかと思ったけど、そこまでは泣かなかった。じんわり涙がにじむ程度かな。とにかく、物語としての構成が上手くて、ラストに向かってぐわっーとつながっていく展開にゾクゾクしました。

恥ずかしながら戦争について知らないことばかりでした。
赤紙が来て戦争へ行った人と自分の意志で軍隊に入った人の違いさえわかっていなかった。特攻隊は志願兵がなるということも、それが建前だけで軍隊という組織の中で特攻の意志確認を断ることなんてできるはずもなかったことも。一縷の生きる希望にかけて戦う事と、絶対に生きて戻ることができない戦い(つまり特攻)の違いにも全然思いが及ばなかった。また、‘ゼロ戦’は三菱が作った世界一の戦闘機だったという事も知らなかった。

60年前の日本人が天皇を神だと信じ、愛国心に溢れ、国の為に戦った、というのは戦前の教育の結果なのだと思っていたけど、人間として今の私たちとなんら変わるはずもなく。当然‘死’は怖いし、死にたくないという気持ちを持っている。それでも命をかけて戦ったのは家族や愛する人のためであり、国や天皇のためではなかったという事がすごく腑に落ちました。彼らの意志の強さ、優しさに、自己中心的に生きている私など本当に恥ずかしい気持ちなりました。

ところで、この作品を通して一人の男性【宮部久蔵】という人がどんな人だったかが語られている訳だけど、同一人物なのに語る人によって受け取り方が全然違うという事も面白い視点でした。自分自身についても、私は私だけど他人が私の事をどう思っているかは皆違って、思うところは色々有るんだろうな、とか考えてしまった。少しづつ明らかになっていく【宮部久蔵】の人となりや生きた軌跡。後半の大どんでん返しなど、ドキュメンタリのように戦争の真実を語りながらも小説らしいドラマ性があってすごく、面白かった。

余談だけど、軍隊の上下関係や出世の仕方はまさに「退職管理基本方針」に見る現在の役所人事と変わらない体質だと思う。入省年次によって上から配属先を決めたり、入省年次の下の人が上の人を追い越せない習慣とか、戦前、戦中と変わっていないなんて本当にオカシイ事が多いと思うよ。

2010/08/31(火) | 読書 | トラックバック(0) | コメント(6)

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まほちち

私の世代で、関西のTVを見ていた人には、超超有名人です
ラブアタックって言う、告白番組で、いつもいつも振られて、惨めアタッカー大会に出てたんです まあ、振られて当然のような格好して出てきてたんですけどね
その後テレビ局を経て、作家になったようです
昔の様子から、本を書かれるようになるなんて想像もできませんでした 一度本屋さんで手にとってみます

2010/09/01(水) 18:49:22 | URL | [ 編集]

BOIS

>まほちち様
百田さんの経歴には放送作家とはありましたが、それ以前にもTVで御活躍だったのですね~。この作品で作家デビューしたそうです。重い題材を扱っていながらどこか軽さもあって、TVの人らしい作品だと思います。

才能のある人はやっぱり個性的なんですね(笑)

2010/09/01(水) 22:21:24 | URL | [ 編集]

T.K

ひさびさです!

私も今ちょうど「永遠の0」読んでいます。
Boisさんが読んでいるのを知ったちょうど翌日、友達より借りています(笑)

「探偵ナイトスクープ」の作家さんが、書いていることを知ってまたビックリ!
関西人には 本当に有名な番組ですが、作家の名前までは知りませんでした。

ちょっと母艦とか艦隊とか言葉がなかなか聞きなれなくて最初は読みにくい?って思ったけど、ハマってまいりました。

まだ「ラバウル」あたりですが、読み終わったらまた書き込みしようっと!

2010/09/05(日) 17:31:28 | URL | [ 編集]

BOIS

>T.K様

先日はお世話になりました。
分厚いけど、わりとすぐに読めると思いますよ~私も読み終わってすぐに人に貸してしまいました。その人もハマっている模様。

後半に出てくる「桜花」は今でも靖国神社に飾ってあるそうです。早くその辺りまで行って下さいね。

2010/09/05(日) 22:58:27 | URL | [ 編集]

T.K

読み終わりました・・・・
何とも深いお話でした。
読み終わってからじわじわと 感動が湧き出てくるような感じです。

最後のどんでん返し!? にはびっくりしましたが
私はここで一番涙しました。
人は色んなことを心に秘めて、そして乗り越えて生きていくものなんだなと。
志半ばで亡くなった方のためにも 生きていく義務があるんだなと。。

今の世の中 このような状況に陥ることはないけど
この戦争があったから、今の生活があるのだということを この小説を読んで今回改めて感じました

2010/09/12(日) 09:02:28 | URL | [ 編集]

BOIS

>T.K様
読後の感想ありがとうございます。本当にじわじわときますよね・・・。若い頃は戦争物は怖い、怖いと耳をふさいでいましたが、目をそらさずに何があったのか知るべきですね。

2010/09/13(月) 23:18:44 | URL | [ 編集]

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